標準的Centrinoマシン dynabook SS 2110 / S8 /S9
最終モデル dynabook SS 2120


【dynabook SS 2110/2120/S8/S9概要】

dynabook SS 2110とは

 dynabook SS 2100855PMチップセットとTrident XP32というグラフィックチップの組み合わせだったが、インテルよりグラフィック機能を内蔵した855GMがリリースされたため、dynabook SS 2100/S7デビューのわずか4ヶ月後に新機種としてdynabook SS 2110がリリースされた。

 これはごくまっとうな設計のモデルであり、部品の供給さえ間に合えば、本当は東芝も最初からこの形でリリースしたかったのではないかと思えなくも無い。

 また、「Centrino」ブランドを名乗るためにdynabook SS 2100/S7では削減されていたCFカードスロットモデルが、復活するなどした。

■dynabook SS2110と dynabook SS S8の差異

・オプションのバッテリーが標準添付されていない

 コストダウンのため、若干容量を削られた中容量バッテリーがコンシューマモデルには添付される。

・CFカードスロットモデルのOSがXP Home

 理由は不明だが、無線LANを使わないような人はXP Proの機能は不要と思われたのだろうか。

・Office Personal付きが選べた

 Office Personal付きがCFカードスロットモデルのみ選択可能だった。

■dynabook SS S8 と dynabook SS S9の差異

・S9はS8の無線LANモデルにアプリを追加した物

 実は、マイクロソフトのOfficeシリーズに追加された、メモ取りソフト「OneNote 2003」が付属しただけだったりする。

・実質的な在庫処分モデル

 2003年暮れにdynabook SS SXがリリースされており、コンシューマモデルはSXに集約する方向だったようだ。法人モデルでは、わずか1ヶ月後に第2世代Pentium M(Dothan)モデルがリリースされているが、何故かコンシューマモデルでは見送られている。

 モデルが1種類しかないことからも、dynabook SS S9は旧型在庫一斉処分モデルと考えるのが妥当であろう。

dynabook SS 2120とは

 dynabook SS 2120はCPUにDothanコアの第二世代PentiumMを搭載したモデルである。

 正式にメモリ上限が1280MBとなり、無線LANが802.11b/g両対応になるなど、細かい機能アップが行われ、dynabook SS 2000シリーズ最終形として恐らくごく少数のみ生産された。

 併売されていたdynabook SS 1620ではチップセットが855GMEにグレードアップするなどしていたが、dynabook SS 2120のメインボードには手が入れられなかったようである。

 コンシューマ機には同等モデルは存在しない。

 なお、海外モデルのPortege R100には、Dothan1.1GHz+855PM+Trident XP32mという組み合わせのモデルが存在した。

【各機能ごとの詳細】

■処理性能について

・CPUが若干高速化

 dynabook SS 2110 / S8 /S9Pentium-Mは超低電圧版1.0GHzの物に高速化された。旧機種と比較すると1割程度の高速化である。

 dynabook SS 2120ではDothanであり、2次キャッシュがBaniasの2倍に相当する2MBに強化されており、クロック数以上の性能アップを遂げている。

・グラフィック性能は平凡

 855GMはIntel Extreme Graphics 2を搭載する。ハードウェアT&Lエンジンを内蔵しないために3Dゲーム向きではないと言われたりするが、主に本機がターゲットとしていたビジネスユースではOfficeアプリが普通に動けばそれで良しとされていたため、問題とはならなかった。

 競合機と似たり寄ったりである。

 残念ながら、高速3D描画はモバイルPCのターゲットとは相容れない要素なのかもしれない。

・ハードディスクは明らかに1世代前の性能

 1.8型ハードディスクの性能は、dynabook SS 2100 /S7と同様である。モバイル用と考えればあまり性能は期待されないのだが、性能は高くない。

・無線LANの種類に注意

 dynabook SS 2110 / S8 /S9の無線LANは802.11bのみ対応である。従って、最高速度は11Mbpsに制限される。

 一方、dynabook SS 2120は 802.11b/g両対応のため、最高速度は54Mbpsに達する。

■拡張性について

・メモリ上限は変わらないがビデオと共用になる点に注意

 ごく一般的な200PINのSO-DIMMで増設が可能。PC2100のDDR。
 1スロットだが、これは他社製品も同等なので、問題ない。

 dynabook SS 2110 / S8 /S9での増設上限は依然として768MBとなっているが、実際は1280MB搭載可能と思われる。

 dynabook SS 2120では公式に1280MB対応となっている。

 グラフィック機能がチップセット内蔵になった為、ビデオメモリはメインメモリの一部が流用される。そのため、実際に使えるメモリの量が旧機種より若干現象する。

・ハードディスクドライブ(HDD)脱着は簡単

 dynabook SS 2100 / S7同様、裏蓋のネジを一本外すだけで、HDD交換出来る。モバイルパソコンにしては異例なぐらい簡単な作りである。

・USBは2個か3個

 無線LANモデルは2個、CFカードスロット内蔵モデルは3個である。CFカードスロットモデルは、本体右側面にUSBスロットが付く。

・SDカードスロット

 標準搭載されていてありがたい。2GBのメモリまで可能。

・赤外線ポート復活

 dynabook SS 2100 / S7で一時期廃止された赤外線ポートが復活している。

・その他

 プレゼン等で必要になるCRTコネクタは変換コネクタ等の余計な物が必要ない。

 IEEE1394(i Link)が無いが、利用頻度を考えると無くても良い。

■可搬性について

・本体剛性およびサイズはdynabook SS 2100 /S7と同じ

 286mm(幅)×229mm(奥行)×14.9mm(最薄部)〜19.8mm(高さ) 1.09kg

 dynabook SS 2100 /S7同様である。

■使い勝手

・表面的には何も変わらない

 dynabook SS 2100 /S7同様である。

・リカバリおよびハードディスク消去機能

 法人用モデルも基本的にハードディスクリカバリになった。

■その他

・東芝の本来出したかったCentrino対応dynabook SS 2000系機

 とがった部分は無くなったが、安定性も申し分無いインテル製グラフィック機能を搭載し、安心して使えるPCになった。

 S7チート問題のおかげで、後継機種が割とすんなり受け入れられたのは、実は東芝にとって幸運だったのかもしれない。

【改造情報】

・クロックアップ

 無理。

・内蔵無線LANモジュール

 バラバラにする覚悟さえあれば、無線LANカードはminiPCI接続されているため、802.11b→802.11gに更新する事が可能である。

 (※厳密には違法とのこと)

 起動時にCentrinoのロゴが出ていたのが、PentiumMに変わるらしい……。
 確かに、Centrinoではなくなるが、そこまでこだわるか?

【その他】

・海外モデル

 実は海外モデルが東芝の直販サイトで売られていた。(^^;
 割と法人需要があるらしく、発売開始から3〜4年経過した辺りで秋葉原近辺に流出を始める。

 ねらい目かもしれない・・・。


リンク

dynabook SS 2110 (2003年7月)

dynabook SS 2110 (2004年2月)

dynabook SS 2120/2110 (2004年10月)

dynabook SS S8シリーズ(2003年7月)

dynabook SS S9シリーズ(2004年9月)

作成日:
最終更新日:2008/9/3

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