【概要】■RX1の正常進化売れたかどうかは別にして、RX1は久々に東芝らしいモバイルPCであった。ただし、若干作りが荒いところがあったことも事実である。 東芝の担当者様が本サイトを見てリサーチしたかどうかは定かでないが(案外正体バレてたりして)、RX2は地味にRX1のネガティブ部分を消してきている。まだ実物には触っていないが、なかなか良さそうである。 ■新プラットフォーム対応最新プラットフォームCentrino2対応ということらしい。 前回はチップセットがIntel945シリーズ。965をとばして、今度は最新のIntelGS45Expressベース。 世代が新しくなったので、当然全てにおいてパワーアップしているはず。 ■筐体が新しくなった筆者は写真を見て、わずか3秒ぐらいで気づいてウホッ……キター!と思ったが、これはRX1オーナーでないと気づかないだろう。 タッチバッドが、筐体の中心からホームポジションの中心に移動している。恐らくこれで右手の親指の付け根でパッドをミスタッチする事が減るだろう。 そのほか、微妙に剛性を高めているとのこと。この辺り、どうもdynabook SS 2000とSS 2100ぐらいの違いがあるようだ。 ■RX1と比較し、性能も若干向上 まず、CPUはCore 2 Duo SU9300 動作周波数1.20GHz。キャッシュが3MBと非常に大きい。 メモリの搭載上限も3GBになった。必要な人は必要なわけで、RX1初期モデルの倍も搭載出来ると言うことは、当然寿命も長くなる事が期待できる。32ビット版Windowsは約3GBまでしか対応しないので、当面安泰であろう。 グラフィック機能も当然強化されているはずで、RX1のように2点という事は無い。 ストレージはSSDモデルで128GB。HDDモデルは160GBに増量された。一昔前のデスクトップPCよりよっぽど高性能。ただ、最近は安物のネットブックも120GB〜160GB搭載するご時世なので、320GBぐらい積んでも良かったかも知れない。 ■マイナーチェンジでさらに細かく改良2009年夏モデルからは全機種1.4GHz、2009年秋冬のWindows7モデルではメモリがDDR3-800、オンボード2GBに増強。 微妙に物が変わっているので、中古を購入する場合は注意。 ■バッテリーも長持ちバッテリー増強されたようで、大容量バッテリー+SSDで最長12.5時間駆動可能。
【各機能ごとの詳細】■サイズ比較RX1 283mm(幅)×215.8mm(奥行)×19.5mm(最薄部)〜25.5mm(高さ)768g〜1.09kg 光学ドライブ内蔵モデルが最軽量となっており、Webサイトの表記が恐らく間違っていると思われる。 ■インターフェース IEEE1394が廃止され、左USB端子がeSATA端子兼用になったとのこと。 SDカードスロットはSDHCに対応した。これでWindowsVistaのReady Boostにもバッチリ対応だ。 ■通信機能充実型番末尾がGGのモデルは、下り最大2.4MbpsのKDDIワイヤレスWAN機能に対応。当然定額も選べるため、月々6000円の通信費用を気にしないなら、日本全国で高速な通信が行える。 また、無線LANも802.11nドラフト2.0に対応しており、こちらは300Mbpsである。 今最も普及していると思われる、有線の100BASE-TX規格より高速である。 【モデル毎の相違】■2009年春モデルでは液晶が改良液晶が200カンデラ平方メートルから、250カンデラ平方メートルに輝度を向上。 コンシューマモデルは、標準で3GBのメモリを搭載するようになり、HDDも160GBが標準化。 謎RX2と呼ばれて珍重されている、液晶だけRX1と同じとされる1スピンドルのRX2は、法人向けRX2の初期モデルだと思うのですが……何が謎なのか筆者に教えて欲しい。 ■2009年夏モデルではCPUが高速化Core2Duo SU9400(1.4GHz)に変更となり、従来の直販モデルより高速に。 また、コンシューマモデルはHDDが250GBに増量された。 WiMAXモデルも登場している。 ■2009年秋モデルではメモリ周りの強化Windows7に合わせ、標準のメモリ搭載量が4GB(オンボード2GB、メモリスロット2GB)に増加。 メモリの仕様がDDR2-667からDDR3-800に変更され、スピードアップした。 ■金に糸目を付けないなら直販モデルCPUに1クラス上の1.3GHz版が装着されたり、2009年夏モデルでは512GBのSSDを搭載したりと、性能的には上位のとがったモデルが用意されている。 国内モデルでは何故か省略されてるBluetoothも標準搭載。必要な人は検討すべし。 【感想】■機能は優秀だが、高い?省スペースで可搬性に富んでいるモバイルPCに対する法人需要は手堅い物があり、それなりに売れてしまうと思われる。 RX1の弱点はことごとく改修しており、周りを見ずに新旧のスペックだけ見ると、いいじゃないかと思える。 が、1人1台という法人向けの制約を外して、個人で購入するかと考えると、どうしてもこの20万円近い実売価格が引っかかる。 10万円台前半で、15インチワイド液晶を搭載したdynabook TXのCore 2 Duoモデルと、6万円台のネットブックを購入するのと、値段的にはあまり変わらない。 光沢液晶、高速CPU、大容量HDDを搭載した「高性能なメイン機」と、枕元に転がしておいたり、持ち歩いて傷つけてもあまりもったいなくない「実用的なサブ機」の両方が手に入るのである。 超低電力CPUの方が通常版より高いと言われているので、高く付くのにはある程度仕方ない部分もあるだろうが、冷静に考えると、高いのである。 個人的には、モバイル性能が多少犠牲になっても構わないので、もう数万円安く買いたい。あるいは、CPU性能を高めて、通常利用を快適にして欲しい。 ■ネットブックがモバイルPCを駆逐する?ネットブックが登場するまでは、半日会社の外に持ち歩けるパソコンは、dynabook SSやThinkPad Xシリーズ、Let's note等のサブノートとかモバイルPCと呼ばれる、マグネシウムを使ったり高集積化したおかげで高価になってしまった、小型軽量タイプ以外に無かった。 今や、ネットブックがその代替となるべくして登場した。 dynabook SSシリーズは今後どのような方向に向かうか、難しい舵取りを迫られている。 何故dynabook SSでないといけないのか。この問いに答えを出せなければ、次モデルの存在価値は無いかもしれない。 そして、名機の次は駄作という予想通り、RX3/R730シリーズにて長期の迷走を始めるのであった。 |