dynabook SX/ SS 1600
発表直後のアレルギー反応

dynabook SSシリーズの新機種として、SX(SS 1600)が登場した。
突然「スリムショック」のコンセプトをかなぐり捨てて分厚く不格好になった筐体を見て、
dynabook SSファンの多くは非常に心配になった。

そんなアレルギー反応を示した一人である筆者の当時の率直な感想を紹介する。


コンセプトは安売り!?

モバイル用PCの裾野を広げるために、コストアップ要因となる超薄型設計を諦めて、その代わり安くしますということらしい。

本当に持って運んでもらうために考えたとか言われているが、筆者はdynabook SS 2100が持ち歩きにくいと思ったことは特に無い。
大きいとはいえB5PC用のカバーに収まるし、軽いし、バッテリーもそれなりに使える。
一体何が世に受け入れられなかったのだろう。

厚みを一気に増やし、その代わり設置面積をコンパクトにするという形状変更が実施された。
そして、12.1インチ液晶型として世界最軽量を目指したのだが・・・dynabook SSファンとしては複雑な心境である。
出来上がったものを見ると、某レッツノートのマネにしか見えないのが悲しい。

レッツノート T2と比較すると、機能的には少し上回っているように見えるが、レッツノート W2相当の機種がほしくなるのは当然の帰結である。

サイズについて

SS3480 262mm(幅)×214mm(奥行)×19.8mm(最薄部)/26mm(高さ)
SS2100 286mm(幅)×229mm(奥行)×14.9mm(最薄部)/19.8mm(高さ)
SX    268mm(幅)×210mm(奥行)×27.8mm(最薄部)/34.6mm(高さ)

こうして3世代のdynabook SSを並べてみると、SXがいかにdynabook SSらしさを失ったかを強く感じることが出来る。
S4以降の筐体ではdynabook SS 34XX筐体と比べて、厚さ6mmの削減を行っている。まさにスリムショックだ。
しかし、SXではdynabook SS 34XX筐体からも8.6mmも増えてるではないか。

幅や奥行きは多少変わっているが、dynabook SSシリーズのアイデンティティとも言える薄さの部分でここまで妥協されると・・・
そもそも、これではスリムショックではないではないか。

デザインは、少々変な形をしている。
強度確保をしたいが、レッツノートのマネと見られるのは嫌だという、かなり微妙な意思が働いたものと見られる。

箱がたわむのである程度隙間を作る必要があるということなのだが、それなら全体的に厚くすればいいじゃん・・・。
スプーンカットなんかしなくても、筆者に言わせれば少し厚めにしておいて深めのプレスラインを数本入れてやれば済む話だと思うが・・・。(ゼロ・ハリバートン等の筐体を思い出してほしい)

筆者に言わせると、dynabook SS 3480のサイズが実は枕元などいろんな場面で一番扱いやすくて、今の技術をもってすればその大きさに収める事は十分に可能ではないかと思うのだが・・・。

機能的には?

寸法的には相当に退化したと思われたSXであるが、実際には重くなっていないので、デザインの良し悪しを抜きにすれば、嘆く特別な理由は見当たらない。

無線LANが802.11b/g 両対応ということで、「PentiumM搭載機」で、Centrinoテクノロジ採用ではないが、言い方だけの話で、ユーザーとしては性能が良いほうがいいに決まってるから、別にいいことにしよう。

超軽量モデルは眼中にないので、通常モデルでの比較を行うと、CFカードスロットが無線LANと同居した状態で標準搭載できるようになったのは結構大きいと思う。恐らくAirH"専用スロットになってしまう予感がするが、筆者がX31を検討した理由がそこにあったのだから。

本当にパフォーマンスダウンしていないか?

 S8/S9と比較すると、外付け増設バッテリーが装着できなくなったぐらいなので、別段意識することも無い。
 S7と比較した場合、855GMを搭載している事が、依然「ケチってるな・・・」という印象を抱かせるのである。

 実質的なグラフィックパフォーマンスという意味では、XP4も大した性能ではなかったように思うけれど、高性能を目指すのであれば、nVidiaやATiのグラフィックチップを使うべきなので、その点については残念といわざるを得ない。

 スペック的には最大メモリ搭載量が1280MBに増えたが、これは公式サポートしたというだけで、実際には旧機種でもサポートしていたはずである。
(事実、海外向けM100では対応している事になっている)

実は使い勝手が・・・

 キーボードは19mm幅を実現しているのだが、高さが実は16.5mmしかない。
 何で、そんなとこまでレッツノートをまねてしまったのか……。
 筆者は比較的縦方向のサイズに対しては寛容なのだが、実際に触ってみると少し打ちづらいような気もした。
 というか、若干打ち損じが発生した。

 さらに、SS2100のキーボードをよくよく見ると、中央4段には比較的余裕があるのだが、上下段は若干苦しい配置になっている。
 ファンクションキーやカーソルキーが犠牲になっているのである。

 地味なSSが根強く評価されてきた理由のひとつとして、携帯型なのに広くて打ちやすいキーボードがあるのだが、退化してどうする……。

総評

 悪くは無いが、dynabook SS 2100とはコンセプトが別物なので、SS2100が気に入っている筆者にとってはわざわざ買い換えるには値しない機種だ。
 新しく買うには、操作性とデザインがクリアできれば検討しても良いだろう。

 価格はレッツノートやThinkPadと比較してもびっくりする程安いので、モバイルPCを安く購入したい人には、まぁ良いかもしれない。

 久々に活況を呈しているモバイルPC市場。
 ニッチマーケットには違いないが、各社同様なコンポーネントを色々な味付けで世に送り出してきている。
 しかし、筆者を含む多くのホビーモバイラーがS7登場時に一瞬見た夢は、残念ながら未だ見る事ができていない。

 但し、厚みを増したことで、可搬性の鍵となる重量を増やさないまま、スペックアップできる可能性を持つにいたった。
 例えば、高性能GPUを搭載したり、2.5インチの大容量HDDに付け替えたり・・・
 また、そろそろSXGA以上の液晶を搭載するという意欲的なモデルが登場してもいい頃だ。 

妄想SXI

2ちゃんを見ていたら、下記のようなスペックを提案している人がいた。
よく見ると、グラフィックチップと液晶が違うだけなのだが、この違いは結構大きいと思う・・・。

Pentium-M 1GHz

256MB(1GB)

(1.8or2.5inch)HDD 40GB

GeForce FX 5200GO 32MB

12.1inch(SXGA)

CFType2対応1スロット、SDカードスロット USB2.0×3

IEEE802.11b/g

バッテリ持続時間 4.8時間

1.1kg

筆者としては、Pentium-Mを低電力版若しくは通常版にして、CPUクロックを稼いだバージョンもあればいいなぁと思う。

キー配列と重さを嫌ってX31を蹴ったことを考えると、X31並の性能をこの重さで実現すると言うこと無い。

※妄想SXIが、重量以外叶ってしまったのがタブレットPCであるM200。当然、買うか迷う2ちゃんねらーが多数出てしまったのも想像に難くない。


リンク

なし

作成日:2004/6
最終更新日:2007/12/3

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