メモリの増設の仕方
一応、メモリ増設の仕方を説明シロという声が聞こえてきそうなので、簡単に書いておきます。
注意点としては、
・必ず電源を切った状態で行うこと。(ノートはバッテリーも外そう)
・静電気をあらかじめ逃がしておく事
・良くメモリとソケットの形を見てから行う事→力で解決しようとしないこと。
といったところでしょうか。
デスクトップ用DIMM
まず、メモリのピン部分の切り欠きと、ソケット内の突起を確認して、向きを合わせること。
ソケット両端のレバーが下がった状態でスタート。
渾身の力で押し込み(マザーボードを湾曲させて壊さないように……)、ソケット両端のレバーが上に上がることを確認する。
デスクトップ用SIMM
まず、メモリの端に付いている切り欠きとソケット端の内側にある突起を確認して、向きを合わせること。
メモリソケットに対して30度〜45度位の角度で斜めに押し込み、しっかり奥まで差し込む。
ゆっくり倒して、両端がソケットの固定具にきちんと引っかかることを確認する。
ノートPC用DIMM
まず、メモリのピン部分の切り欠きと、ソケット内の突起を確認して、向きを合わせること。
メモリソケットに対して30度〜45度位の角度で斜めに押し込み、しっかり奥まで差し込む。
ゆっくり倒して、両端がソケットの固定具にきちんと引っかかることを確認する。
RDRAMってどうなの?
i820チップセットで初めて導入され、次世代メモリとして注目されたRDRAM。 実際には値段が鬼のように高いことと、チップセット自体の不安定さから敬遠される事が多いものの、今後はSDRAMのように徐々に浸透するんじゃないかな……。
メルコが価格を下げた事で、市場価格がそれに追従して下落を始めております。
※といったことを書いておりましたが、結局のところインテルがDDR路線をとったことで、RDRAMも終息に向かっております。 (2003/11)
EDOの効果は??
最近はSDRAM全盛となってますが、少し古いマシンになると72ピンSIMMを使ってますね。 FPよりEDOの方が速いという話は良く聞きます。
実際、どの程度速いんでしょう。 一説によると、5%程度。
デビュー当時はセカンドキャッシュ不要などという触れ込みで、実際に一部メーカーはセカンドキャッシュを外したマシンを登場させましたが、やっぱり駄目でしたね。
アプリケーション実行レベルではFPもEDOも実感できるほどは変わりません。 SuperPI100万桁を実施しても、10秒程度しか変わりません。
無理に置き換えるほどでは無いな……というのが正直なところです。
また、FPとEDOを混在させると安定性が落ちます。下手にEDOを導入すると痛い目に遭います。 増設する場合は、必ず同じ種類に統一しましょう。
また、EDO非対応マザーに導入したら、動かない事が多々あります。
ただし、悔しいですよね。市場では既にEDOの方が安く、性能の低いFPの方が却って高くつきます。
筆者は、EDO非対応のパソコンを持つ知人に安くFPメモリを譲って、EDOの32MBを買い込む事をお薦めします。
そういう都合のいい知人が近くにいないと……駄目ですけど。
DDR SDRAM
同一クロックなら2倍速いSDRAMです。(分かりやすい説明)
クロック信号の立ち上がりと下がりの両方で駆動するような作りになっており、SDRAMと基本的な設計が大きく違うわけでもなく、作りやすいメモリということで、SDRAMの次として標準化しました。
インテルはRambus社との契約で、2003年までDDR対応チップセットを作れないことになっていましたが、ついに解禁。大手を振ってDDRへと舵を切っており、主流になっております。
但し、大昔に存在したメモリ速度に関する問題はここでも残っており、頻繁に新バージョンが登場。いったいいつ買えば良いものかと、貧乏人は青色吐息。
SDRAMとEDO
どっちが速いんでしょう。 SDRAMはクロックに依存します。また、チップセットによっても異なります。
430VX(Triton2)から対応していますが、はっきり言って430VXとの組み合わせではメリットありません……。
430TXでは幾分マシになってますが、EDOに対する性能メリットは1割もありません。
また、当時は66MHzで動くSDRAMしか市販されていなかったため、クロックアップ時の安定性はEDOに軍配がありました。
最近は外部バスクロックが100MHzとかに上がったため、SDRAMを付けないとメモリが追いついてきませんが……。
440BX、Alladin5、MVP3等のチップセットを採用したマザーボードでは、SDRAM必須でしょうね。
中にはSIMM使用可能(SIMM形式のSDRAMは存在しないため、自動的にFP/EDO)なマザーもありますが、これは使わない方が良いでしょう。
外部バスクロックが66MHzまではEDO、それ以上はSDRAMという使い分けでいいのではないでしょうか??
そういえば最近、EDOのSIMMなんて見掛けませんね。 EDOのDIMMも無いけど……。
ノンパリとパリティとECC
普通に家で使ってるパソコンにはノンパリティタイプの安いメモリを使う事が多いと思いますが、パリティ付きやECCタイプってのは何なんでしょう。
まず、パリティ付きですが、簡単に言うとチェックサムという検算用のビットを持ち、検算によってメモリに記憶された内容に異変があった場合はただちに障害をシステム側に通知し、システムを停止させるという物です。
これによって、障害が発生したシステムをそのまま運用する事によって生じる、誤った結果の出力といった事態を避ける事ができます。
せっかくなので、どんな物か具体的に説明しときます。
ただし、メモリのパリティ機能がこの通りの物かどうかは筆者も知らないので突っ込まないように……。
パリティの例
1bit |
2bit |
3bit |
4bit |
5bit |
6bit |
7bit |
8bit |
パリティ |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
1 |
1 |
0 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
8ビットのデータを記憶させるために、チェック用の1ビットを追加し、9ビット使用します。 この9ビット目をパリティビットなどと呼びます。
1〜8ビット目までの合計が偶数ならパリティビットは0、奇数なら1を書き込んでおきます。(上表水色部分)
で、データを読み出す場合は9ビットを一度に呼び出し、実際にそのデータが正しいかの検算を行うワケです。
検算は、1〜8ビット目のデータの合計結果とパリティビットの内容の整合性が取れているかというもので、もし上表黄色部分のように不一致が発生すると、パリティエラーを発して、システムを停止させてしまうのです。
ただし、このシステムには決定的な弱点があって、仮に2ビットが同時に化けて逆転してしまうと、逆の逆で正になってしまいます。
さらに、エラーを発見することはできても、訂正することはできませんので(どのビットが化けたか分からない)、システムが停止したらそれまでなんですね……。
パリティシステムを改良したのがECC。 ECCは、エラーコレクティングコードの略で、エラーを修復してくれる点でパリティより優れています。
詳しくは下の表を見てください。
ECCの例
|
1bit |
2bit |
3bit |
4bit |
チェックサム |
A |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
B |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
C |
1 |
1 |
1 |
1 |
0 |
D |
1 |
0 |
1 |
1 |
1 |
チェックサム |
0 |
0 |
1 |
0 |
|
手抜きこいて4bit化してますが、こんな感じです。
黄色の部分が、データ化けしたビットですが、横のチェックではB行にエラーがある事がわかるものの、どのビットか分かりません。
ところが、ECCでは縦の検算も行う事ができ、縦横でエラー箇所まで特定する事ができるワケです。
1ビットぐらいのエラーなら、自動修復する事も可能です。 あまりエラーが多いと、やっぱり止まってしまいますけど……。
これは滅多な事では止まって欲しくないサーバー機で多く使われている他、安定性を重視する企業向PCでも使われています。
コスト高のため、一般市場に出回っているマシンにはあまり採用されておらず、マシン自体が対応していない事も多いです。
メモリのエラーは、紫外線を受けたら発生しやすいなど諸説あるようですが、最近のメモリはなかなか高性能で、通常使っている範囲では滅多にデータ化けを起こさないようです。
もし障害が発生するようなら、メモリのアクセスタイミングなどの方を先に調査すべきではないかと思います。
ちなみに、エラーチェックを省いているノンパリティのメモリが、速度性能は一番高いようです……。
そりゃそうだ……。
金の端子と銀の端子
別に泉の精がきこりに聞いてるわけじゃないです。 コネクタが金メッキか、それとも錫メッキかという話です。
普段はあまり気にしませんが、なるべくメッキの種類は本体側とメモリ側で合わせた方が良いようです。
金と銀を合わせた場合、長期間にわたって使用していると接点が腐食して、最後には接触不良を招く事になるそうです。
一回コネクタから抜いて差し込み直せば、腐食部分が削れてまた使えるようになりますが(それで駄目ならちょっと磨いてみる)、耐久性に問題が生じると思いますので、出来るだけ合わせるようにしましょう。
そうすれば、突然動かなくなるトラブルとも無縁ですしね。
ちなみに前出のきこりは、「金の斧なんか重くて使えるか!銀の斧みたいなヘナチョコで木が切れるか!仕事が詰まってるんだから、鉄の斧を出してくれ!」と息巻いたという噂。
ほんとかな?
SIMMコンバーター
ご存じでしょうか? 怪しいパソコンショップには置いてある、同容量の2枚あるいは4枚のSIMMを1枚のSIMM扱いにできるという凄いアダプタを!
筐体内に余裕がある方は試してみても面白いかもしれません。 (苦笑) ただし、左右両方セットで購入してください。
ちゃんとしたお店なら、右向きと左向きのアダプターを両方揃えているはずです。
2枚1組で使わないといけないPentiumマシンでは、必ずチェックしておかなくてはなりません。
また、絶対にアダプターによる合体SIMMと普通のSIMMをセットにしてはいけません。 あと、異なった仕様のメモリを混在させるのも駄目です。
もしメモリ速度が違う場合は遅い方に合わせて考えます。
でも、こんなアダプタを買って4MBのSIMMを16MBに仕立て上げるより、素直に16MBか32MBのSIMMを買った方が安いし確実だし……。
お店の人には申し訳ないのですが、見るだけでやめときましょう。
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