PC9800シリーズ向けメモリー情報

PC9800シリーズ(及び互換機)にメモリ増設するときの種別や注意点を紹介します。


種類別情報

I・Oバンク方式メモリ

今時無いと思うけど(当然ウチにはある)、EMS以前に流行ってたメモリ拡張方式。

EMSがEMS領域参照用の窓を640KB超の領域に取るのに対し、バンクメモリ(BMS)は512KB〜640KBの領域に取る点が最大の違いです。

分かると思いますが、フリーエリアがいきなり128KB少なくなっちゃうんですね。
クソでかい日本語FEPとかが常駐し始めた頃から、この方式は見られなくなりました。
もう8年ぐらい前の話・・・。
ハードウェアEMSとかも、32ビット全盛になったところで消滅しましたけどね。
・・・5年以上前。(苦笑)

98もVM2ぐらいまではメモリが640KB無かったんで、まず256KB分をメインメモリに割り当てて、そこから残りをRAMディスクとかに割り振ってたっけ・・・。

ハードウェアEMS方式メモリ

当然、I・OバンクがあればEMSも有りますね。
使うとしても、最近は仮想86モードでのエミュレートになろうかと思いますが。
昔はEMSをハードウェアのコントローラを使って実現してたんですね。

筆者なんか、EMSとFM音源のBIOSの同居に頭を悩ませたもんですよ。
といっても、MS−DOS3.3時代の可愛いもんです。

バンクメモリもそうですが、これらはしっかりCバス接続された、16ビット物デバイスです。
マルチファンクションという事でプロテクトメモリとして使える物もありますが・・・速度が圧倒的に遅いので、486以上のマシンへの装着は自殺行為です。

汎用メモリと専用メモリの併用

Cバス接続用増設メモリが余っている場合、つい使用してしまうかもしれませんが、これは罠です。
汎用メモリと専用メモリが一緒にあったとき、Windowsは汎用メモリから順番に使用していくんですね。
そうすると、遅いメモリを優先的に利用する事になり、結果は御想像通り駄目です。(苦笑)
70nsのSIMMと、100nsを優に超える(知る気も失せるほど遅い)低速メモリを混ぜることで全体のパフォーマンスが遅い方に合わせられちゃうんですよね。いくらメモリチップ自体が速くても、10MHzのCバスを通る時点で駄目ですわ。

で、汎用メモリは容量も少ないと思うので、使うのは無駄だと思うわけです。(持ってたら、286機ユーザーにあげて下さい)

また、汎用増設メモリは14.6MB超には対応してないと思うので、やはりWin95等の32BIT時代には合いません。 素直に放すのが手かと・・・。


形状別情報

72PIN SIMM増設

NECは消費者を混乱させるのが得意でした。メモリの仕様なんて何度変わった事やら……。
特にPentium世代でデスクトップ機のシリーズ名として長く使われたXa系の違いを認識し、メモリを正しくチョイスするのは至難の技と思われます。

そこで登場するのがメルコやアイ・オー・データのカタログ。
Pentium機なら、まだまだ載ってます。
こいつで仕様を確認して、パソコンショップでバルク品を買えば安上がりです。
とはいえ、98に増設するって言ったらあまり嬉しい顔されないような気も……。

どうしても分からない場合はNECのホームページからハードウェアライブラリを検索する事で、当たりを付ける事ができます。
最終手段として覚えておいてください。

9801−61U

RA時代から内部増設サブボードとして、初代MATE/FELLOWまで使われたSIMMです。
外観は72ピンのSIMMそっくりですが、容量が2Mしか無い事や、ピンアサインがまるで違う事などの問題があり、普通のSIMMとしては使用できません。
使用できそうな気がして試してみましたが、失敗して笑われました。
筆者はこの腐れメモリを2枚も持ってます。
Windows95の前には焼け石に水でした。
あと2Mで動作が軽くなるんじゃないかなどと思った筆者。
当時は若かったなぁ……。

NEC純正メモリ

上質のメモリは、「わしは○MBだよ」とマザーボードに通達するようにできてるそうですが、NECのメモリはコストダウンのためかその機能が付いていないようです。
そのため、メモリから信号が反ってくる事を前提としたAT互換機マザーでは使用できない事があります。

ただ、今時チェックビットでメモリ容量調べてるマザーボードなんて無いということで、NEC方式が最近のトレンドらしいです。
言われてみたら、確かに付けてもエラーになったのは見た事が無い・・・。大抵メモリチェックして、実際の容量を調べてますもんね。

一応、注意だけしておきましょう。

但し、メモリ速度がいくらになっているかは要注意。
同じSIMMでも、非EDO機は70nsのメモリ使ってるみたいなので・・・。
(別にボロいとけなしてるわけではありません。富士通とかも70nsを推奨してた時期があったのです)

ハイパーメモリCPU

メルコが旧型98をアップグレードするために用意している物です。
CPUに5x86とかを使い、486マシンをP5-75相当にするという代物です。
やはりこれも72pinDIMM(5V)ですね。

ただ、こいつを購入する場合に注意が一つ。

メルコのカタログ見たら書いてますが、NEC純正メモリは駄目です!!
Lt2とかの標準搭載DIMMを外して大容量物に置き換えるケースが多々ありますが、そのため市場に流通している4Mメモリの大半はNEC物です。
これはDIMM自身に容量を通達する機能が付いていないらしく、律義にメモリチェックしてカウントするようなシステムでないと、動作しないそうなのです。

それはさておき、ハイパーメモリCPUの効果ですが、筆者はそれなりだと考えてます。
今から買うのはやめたほうがいいでしょう。コストパフォーマンス悪すぎます。
P5-75相当ったって、P5-75は既にゴミ扱いですもんね。


機種別情報

Xa系 CとかRとか

 Xa系は100MHzまでとそれ以上で動作が違ってきます。

 90MHz、100MHz動作の場合、パリ付きのメモリが必要ですが、それ以外の速度の場合はパリ無しでOK。

 何でこんな面白い仕様なのか、理解に苦しみますが……。

Xa系 Wとか

 同じXaでもW型番は内部設計を一新し、突然高速化しています。
 W型番のマザーは完全にビジネスユース向けと定義されたため、贅沢なECC付きEDOメモリを使う仕様になっています。

 そこらの安物メモリを許容しない設計には脱帽です。

RA21〜初代FELLOW/MATE

NECの61U系メモリは、外観こそ普通の72pinSIMMですが、中身がまるで違うので利用できません。容量も2Mしか無いし。(筆者は2枚も追加購入してしまった。金をどぶに捨てたようなもんだ)
普通のSIMMを挿すのも危険です。気を付けましょう。

筆者は14.6MBにすれば、少しはWin95が快適に動作するはずだと信じ、PC-9821Asの為にお金をツッコミ続けました。
失敗。確かにこの領域での2MBは大きいかもしれませんが、絶対的に不足してました。
ハイパーメモリCPUでも付けないと駄目ですね。Windowsマシンとしてどうしても使いたいなら。

PC-9801BX4

仕様的には9821を名乗ってもいいんじゃないかと思えるマシン。
グラフィックアクセラレータ載ってるし、9821グラフィック載ってるし・・・。
それはさて置き、こいつの標準メモリは1.6MB。
何故か珍しい2MBのSIMMを装備している。
これが、使い道の全く無い代物。(対応してるマザーが少ないし・・・スロット潰すだけのゴミだし・・・)
標準メモリで使ってるBX4ユーザーに譲る?
(わざわざ4MBにするか?今時・・・)
そのくらいしか用途を思い付かないのです。

PC-386GE

エプソンの98互換機です。既に撤退しましたけどね。
互換性が高く、値段は安いという事で、好きだったんですけど。
さて、こいつのメモリですけど何でしょう。(笑)

正解は、2MB/4MBのパリ付き72pinSIMMってとこでしょうか。
エプソン仕様という話もありますが、どうにかなるでしょう。
オンボードソケットが一つだけ装備されているので、そこに今や貴重な4MBパリ付きメモリを増設すると、5.6MBの大メモリが自由自在です。(言ってて恥ずかしい)

ついでに筆者は2MBの汎用メモリボードまで持ってたりするので、そいつも使うともっとグー!
ちなみにMac用のノンパリメモリを試したところ、パリティエラーが出てWin3.1は起動させられませんが、DOSレベルならどうにか使えるみたいです。

PC-386BOOK L

エプソンの98互換機の中でもレア物に位置する代物です。
親父が気に入って買いましたが、ヘビーユース向けのため、値段が高いです。
さて、こいつのメモリは専用品で、販売店のお兄ちゃんすら正しく選択できないような代物でした。

この頃のエプソンは、サードパーティーによる専用内部増設メモリの販売を認めていなかったのか、32ビット機には不可欠の専用メモリが、クソ高い純正しか無いという悲劇的な状況でした。
おまけに売れると思ってないのか、ブックL用メモリは探しても無い!
諦めてLスロット用の増設メモリを入れました。

メルコが辛うじてプロテクトメモリ対応品を出して(PC−286LFという286搭載ラップトップ機があった!)いたため、流用が効きました。

PC-486MR/MS

上記386GEの解説にもある通りよー分からんSIMMなんですが、SW4をONに設定したら、DOS/V用のSIMM(FPパリ付き)をセレクトできたみたいなんですわ。
説明書があれば、詳細が分かるんですけどね。

エプソンPCに関しては情報が非常に少なくて困ってます。


リンク

なし

作成日:
最終更新日:2006/10/21

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