パソコン本体の寿命は3〜5年

パソコン本体の故障事例

結構、パソコンは壊れる。
特に、安物パソコンを買うと、同じ部品を使っているようにしか見えないのに、
確実に高級機より先に壊れる。
何故でしょうね。


メインボード

 マザーボードとも言うが、このメインの基盤が逝ってしまう事というのはあまり無いと思われる。
 静電気を飛ばしたり、BIOSを飛ばしたりなどの、障害さえ無ければ。

 1999年11月、FMV5150TP(デスクパワーTP)のマザーボードを飛ばした。Win95のパッチを再起動せずにどんどん当てて、最後に再起動させようとしたらフリーズして……それ以後起動時に「PCI resource conflict」とか「Run setup utility」の怪しげなメッセージ。(筆者のうろ覚えなので綴りも怪しい)
 富士通サポートアンドサービスの担当氏の検分では、どうもBIOSの一部が飛んでしまっているらしく、BIOS設定画面でどうする事もできない以上はマザーボード交換しか無いとの事。一応、筆者も悪あがきをしてみたが、所詮悪あがきに過ぎず、結局マザー交換する羽目になった。
 この辺はこっちを参照して欲しい。

 ついでに、PC-9821Xa12/C8でも障害が発生している。
 これはIDEのHDDから起動できない事が結構あるという、実にファジーな壊れ方である。
 筆者がごそごそいじると決まって解決し、一週間後に再び動かなくなったりするのだ……。
 壊れていると認定するのが難しいが、筆者としても対処せざるを得ず、かねてより問題となっていたHDD性能を改善する良い機会だとして、外付けハードディスクの導入でごまかした事がある。

 普通は壊れない物だが、3年経過すると性能的には陳腐化する。


追記

 普通壊れないと思っていたが、2000年以降、粗悪なコンデンサーを搭載したおかげで、電解液をぶちまけて故障するケースがままあるようだ。
 CPU周辺の円筒状のパーツの頭を見て、膨らんでいたり、錆びたように液漏れしている物がある場合は、突然死が近いので注意する事。

レギュレータ燃え

 スイッチングレギュレータ(コイルの巻かれたでんでん虫みたいな奴)を使っているマザーボードはいいが、少し前のマザーはリニアレギュレータ(デカいヒートシンクが付いてる3本足の大きなトランジスタみたいな奴)を使ってる。

 MMXPentiumを使ってるぐらいならいいが、6x86やらK6などといったやたら消費電力の大きなCPUを使う場合は気をつけよう。
 特に10Aを超えるK6-233!
 K6-IIIが電源を燃やすと言われたが、K6-233の3.2V動作も命がけだ。まして、クロックアップなんかした日にゃ……。

電池

 メインボードの中に含めていいものか考えてしまうが、BIOSをバックアップしている電池は曲者である。
 これ、ほとんどのAT互換機はリチウム電池を使用しており、5年ぐらい経つと電池切れを起こすのである。

 Win95が出た頃のパソコンは、2000年問題をクリアしたかに見えた直後に電池切れでリタイアする可能性があるのだ。
 これは一般に売られている電池と交換できる事があるので、Battery Errorなんて文字が起動時に表示されたら、「オレのはデスクトップだからバッテリーなんて無いよ」なんて言わずに、電池を探して交換する事。
 大抵はボタン型のちょっと大きい奴を使っているので、見れば分かる。

 飯山のPC付きモニターのように果てしなく配線が引き回された挙げ句、変な仕様の電池が使われている事もあるため、必ずしも常識が通用するわけではないが。

 5年経過したパソコンには注意すること。大抵コンビニでも扱っているので、スペア電池を用意しておくとなおよろしい。

ビデオカード

 最近はMCLKなどによって、ビデオカード自体のクロックアップも流行っている。マザーボードで冷却対策が必要になったように、ビデオカードでも冷却対策しないとハングの原因になる事がある。冷却ファンが壊れ、放熱できなくなったためにチップが破壊されたという話もたまに聞く。

 上記FMV5150TP(デスクパワーTP)のマザーボードを交換して使っていたが、また突然のクラッシュで死んでしまった。
 再セットアップしてもビデオカードのメーカー提供ドライバが組み込めないため、ビデオ関係ではないかと思われる。

 しかし、フリーズぐらいならともかく、怪しいエラーを出した瞬間にハードディスクを飛ばすのはやめて欲しい。全くデータを救えなかった……。

 ビデオカードを侮ってはいけない。考えてみれば、画面の描画ルーチンは常時動いている物。ここがおかしくなればどうなるか。

 冷却ファンに依存している物は、冷却ファンに注意。3〜5年もたない可能性が高い。どんどん高機能化して、一昔前のCPUよりよっぽど発熱する。

 BIOSが組み込まれているなど、マザーボードと同等の扱いをしてやる必要があるのにコレだから始末が悪い。

ハードディスク

 実は良く壊れる部位である。
 ベアドライブのメーカーと言えば、Seagate、WesternDigital、Samsung、HITACHIが主立ったところ。
 ノートなら東芝もあるね。

 これ以外にも過去にはConner、Maxtore(Seagateにより買収)なんてのもあったし、DEC(HDD事業はQuantum、本体はCompaqにより買収されたが、これらも買収で消滅)とかマイクロポリスとかインド製のJTSとかもあったが、この辺はもう壊れて当り前だと思うので、前もって避けておくように。

 20世紀末の筆者周辺ではWesternDigitalのCaviarが高い頻度で壊れていた。
 ただ、仲間の証言を基にしても、WD製は良く壊れるし、99年夏頃には不良品(寿命が極端に短い)で回収騒ぎも起こしているので、なるべく避けた方が良いだろう。というか、WDが付いていたらそのうち壊れると思っていた方がいいと思う。
 (私が目撃した故障例の7割以上がWD製のため、抗議受け付けません)

 ただ、21世紀になってもSeagateに買収されず生き残ってるところを見ると、良かったのでしょうね。

 ハードディスクの死に方だが、大まかにメカ部分の故障とコントロール基盤の故障の二通りがある。
 WDの場合、モーターは回ってるらしいので、コントロール基盤が極端に弱いのではないかと思われる。
 また、弁当箱のような厚みのあるドライブは大抵発熱が凄まじいので、冷却を怠るとこの基盤が熱破壊されてしまう。
 安くて速いといった文句に騙されて買うと、半年でパーになったりするので注意!

 熱で壊れるパターンとして、2台のドライブを重ねていたら下から焙られて終わったという話を良く聞く。
 これ、寿命を自ら縮める愚かな行為なのでやめとくように。
 また、筐体の換気不足で熱がこもって終わってしまうといったものもある。
 筆者もCANONのINNOVAで味わったが、そういう事もあるので注意。
 放熱性の低いベアボーンのキューブPCなどで、10000rpmのHDDなどは自殺行為。

 高速ドライブで変な音がし始めて、そのうち動かなくなった場合はプラッタを支える回転軸が摩耗によってブレて駄目になった物のようだ。
 某プロバイダのサーバー機に組み込まれて24時間酷使されているドライブはせいぜい1年というところらしい。
 15000rpmのドライブもあるが、これは特に負荷が激しい。
 ただでさえメカ部が危ないのに、冷却やらをきちんとしてないと基盤が半年保たない。
 素人がこれらを買うのは、あらかじめ問題を背負込むような物で、決してお薦めはできない。

 モーターが回らない場合は壊れない程度に角を叩いてやる事で一時的に使えたりすることもあるらしい。
 これはヘッド吸着とかいわれる障害に有効である。
 また、不良セクタができる事もあるが、物理フォーマットで回避できる事も無くは無い。
 不良セクタがあっても、どんどん増えなかったら大丈夫との話も……。

 なお、通常の横置きよりも縦置きの方が軸受けに対する負荷が少なく壊れにくいという話もあるので、参考にしてみてはいかがだろうか。
 実際問題、縦置きを実現できるケースはなかなか無いわけだが……。

 なお、コンパック機で不良セクタが出たため、無償期間が切れる寸前に修理に出した経験があるが、この時ちょっぴり得をした。
 ノーマルは730MBのLightningだったが、返却されてきたものには1GBのFireBallが付いていたのである。
 Appleとかもこのように修理部品在庫の底上げをやっていて、修理に出すと性能が上がって帰ってくる事があるそうである。

 何年経っても同じ性能で返してくれる、NEC/富士通のような律義なメーカーは、筆者にとってあまり嬉しくないメーカーである。

 まぁ、3年経ったら容量的にも問題が出てくると思うので、交換しておいた方がいいかもしれない。そんなに高い物でもないので。

富士通MPG3204AT

 また、時々製造不良という問題が発生する事がある。
 富士通製MPG3204ATシリーズは、廉価だったためか各メーカー製PCに内蔵され、そして哀れ多くのデータを抱いたまま昇天された。
 2003年春頃まではメーカーも窓口を設置してまじめに対応していたが、最近は「寿命が早く尽きただけ」と知らぬ顔をするところも出始めた。

 また、バルク品を購入したユーザーに対する救済措置は無いままである。悲しいことに・・・。

フロッピーディスク

 100%筆者が悪いのだが、電源の逆差しで破壊したことがある。
 コネクタがぜい弱なため、力任せに押し込むと押し込めてしまうのだ。
 聞いた事のある人にしか分からない飛ぶ音が素敵だった。

 また、アクセスランプが点きっぱなしになるのは信号線の逆差しが原因。
 これはすぐに抜けば大丈夫。

 一番多いのは、ヘッドの汚れによるリードエラーではないだろうか。これは大抵ヘッドクリーナーの使用で解決する。
 また、さほど高速回転しているわけではないので、モーターが死ぬ事は少ない。
 埃と油が一体化して抵抗になり、モーターがトルク不足で回し切れなくなるぐらいだろう。
 分解掃除したら復活する事が多々ある。

 工場内などの劣悪な環境下で使用している場合、通気孔が目づまりするとFDDの穴から埃混じりの空気を吸って、駄目になるケースが多々見受けられる。
 常日頃より筐体の掃除に気を付け、あまり使用しないFDDであればビニールテープ等で口を塞いでしまうのも一つの解決手段かもしれない。

 最近はフロッピーディスクのメディア自体、あまり品質が良くない。
 数回読み書きをするだけで、不良セクタが出来てしまうのは如何なものかと思う
 できればあまり使いたくないなと思うのである。

 寿命は環境とメンテナンス次第といったところか。

CD-ROM

 筆者の会社でパソコンを工場内に置いておくと、まず間違いなく壊れる(?)のがこの部位である。
 ヘッドの上に埃が積もってしまい、リードエラーを起こすのだ。
 クリーニングCDを使用する事で蘇生するらしいのだが、どうせ筆者が頑張って蘇生させてもそのうち駄目になるので、結局放置してたりする。
 事務所にあるサーバーのCD-ROMドライブを使えばいいやってね……。

 まぁ、汚れとモーターの故障以外ではあまりトラブルも出ないだろう。
 フロッピーディスクの項で述べたように、工場内で使う場合はあらかじめ塞いでおいた方が良いかもしれないが……。

 ところで、DOSでは使えてもWin95上では使えないドライブがたまにあった事はご存じだろうか。
 あまり変なドライブは買わない方がよろしい。

 書き込み型ドライブの書き込み側は、レーザーの熱で劣化が早いそうだが、読み込み専用タイプであれば、3年は楽に保つ。そのころになると、新しい規格が出ているので買い換えだ。

キーボード

 古くなると接点が逝く。
 PC-8801FRのキーボードがほぼ使用不能になって泣いた事がある。
 接点復活スプレーを吹き掛けまくると幾分良くなったが、メカスイッチはそういった不具合が発生することがあるので、中古の購入もあまりお薦めできない。

 突然使えなくなったExpressサーバーの例もあるが、あまりキーボードが壊れるという話は聞かないので、あまり気にしなくても結構である。
 ただ、PS/2コネクタのピンを曲げて動作しなくなったという話はある。
 抜き差しする時は注意する事。

 まぁ、5年ぐらいで壊れるものではない。

マウス

 壊れるマウスは、大抵ボタンが逝く。
 マウスのボタンをクリックしても反応がない場合は、死んでいると考えてさっさと新品マウスに交換する事。
 そんなに高いものではないので、消耗品ぐらいに思って欲しい。

 直進しないとか、スリップするとかいった障害は、大抵故障ではない。
 裏ぶたを開けてマウスのボールが接触するローラー部分を掃除すること。
 道具が無ければ自分の爪で擦っても構わない。

 汚れが付いて困る場合は、コピー用紙をマウスパッドにして使用する。
 使用感はあまり良くないが、滑らないので十分に使える。汚れたらすぐ交換できるし。

 ちなみに、筆者の友人がスピタル産業製のマウス(安くはなかった)を2個続けて購入し、どちらも1年経たないうちに壊れて閉口していたが、そういう不運な人も世の中にはいる……。

 マイクロソフト(偽物もあるけど)やロジテック(OEMもあるけど)のマウスは比較的丈夫。
 国産もエレコム等はツボを押さえた作りをしているので、そう簡単には壊れないだろう。
 富士通・NECの純正マウスは3年使ってると大分ドラッグの安定性に問題が出てきた。
 じっとボタンを押さえたままにできなくなったら、そろそろ替え時だろう。

その他

 これを故障と言うか言わないかは難しいが、下駄にはめたCPUが差し込みが甘かったためにCPUファンの重みに耐えられず、脱落して起動しなくなった……なんて事もあった。
 思わずと言ってしまったのだが、世の中にはそういった事も多々あるので注意すること。

 類似トラブルとして、冷却ファンの電源コネクタが抜けて熱暴走していたなんてのもある。
 まぁ、差し込みはしっかりと……といったところか。
 これらは故障と言うほどの物ではないが、素人では見つけづらいだろう。

 油断ならないのが冷却ファンである。これ、埃だらけの人に優しくない環境で使っていると、フロッピーやCDを駄目にするのと同じように、ファンも駄目にする。ファンが止まったぐらいではなんともないが、そのうち熱暴走を起こしてパソコン全体が逝ってしまう可能性があるため、注意が必要である。

 ※昔のAthronは冷却無しで使うと発火するおそれがあるので要注意。

 普通は、1年や2年で壊れるものではないが、埃っぽいところで使う人は時々掃除機でお掃除した方がいいかもしれない。
 バラバラと怪しげな音がして引っかかり始めたら要注意。
 また、CPUクーラーのマニアの方なら当然ご存じだと思うが、ファンの軸受にスリーブベアリングとボールベアリングがあるが、ボールベアリングを使ったものの方が寿命が長い。(値段も高い)
 ぱっと見分からないが、もし自分で買う時は面倒でも確認した方が良い。


リンク

なし

作成日:
最終更新日:2008/10/16

故障事例からパソコンと周辺機器の寿命を探る

inserted by FC2 system