プリンターの寿命

プリンタが壊れた人は結構多いのではないだろうか。
形式を問わず、紙送り機構は良く壊れるが、ローラーの掃除さえしておけばそうそうくたばる物でもない。
やはりプリンターの命はヘッドなどの印字機構だろう。
ここが壊れると痛い、というか泣ける。


インクジェット

 最大のトラブルはヘッドの目づまりではないか。特に昔のプリンタはしばらく使っていなかったら必ず目づまりしていた。
 また、初期のインクジェットはクリーニングによるインクの消費も大きな問題だった。壊れてるわけじゃないけど……。
 最近のプリンタでも起動時のインク消費はあるのだが、あまり気にする人がいなくなったかもしれない。

 ヘッド目づまりだが、最近の写真画質プリンタにサードパーティー製インクは厳禁である。
 専用インクに合わせて精度を上げているのに、成分に違いのあるインクを入れてはまずい。
 色が合わないぐらいならともかく、詰まる事は多分にある。
 特に注射器で補充するのは愚の骨頂である。
 少々高くても純正インクを使うのが安心だ。
 特にエプソンはヘッドが詰まってクリーニングができなかったら修理でン万円コースの修理が必要だから。

 キヤノン(これが正しい綴りだかんね)の場合、インク交換5回に1回はヘッドも交換する事を推奨していた。
 こちらは壊れてもヘッドが交換できるから、入院は無いが決して安くはない。
 筆者の会社で使っていたら、接触不良でショートでもしたのか、このヘッドユニットが壊れて言う事を聞かなくなった事があった。
 泣けた……。
 インクはほぼ新品だったのにヘッドだけ逝ってしまい、結局インクとヘッドのセットを買い足す羽目に。

 まぁ、半年ぐらいほったらかしにしていても、必死で何回もクリーニングすれば大抵は元に戻る。
 インクを1本無駄にする覚悟があれば、結構直せるもんである。
 それ以上放っていたら、もしかしたら目づまりが解消できないかもしれない。
 その場合は、さっさとジャンクショップにでも売り飛ばして買い直した方がいいかもしれない。
 下手にヘッドをティッシュで拭こうなどと考えないほうがいいでしょ。
 毎年のように写真画質プリンタの画質が向上してるから。

 なお、インクの切れた状態、あるいはインクタンクを外した状態でプリンタを放置すると空気が入ったりして壊れる事が多々あるので絶対にしないこと。

 あと、壊れるワケではないのだが、数千円で購入出来る安物プリンタには注意。Lexmark等だが、完全に補充インクで儲けるビジネスモデルのため、最初安く買ってもランニングコストで逆転される。

 こんなプリンタは、インクが切れた時点で壊れたと同様の扱いでいい。

レーザー

 最近は個人向けも多く、大量印字がメインならレーザーもいいかなと思う。
 消費電力も、さすがにパソコンのサービスコンセントからは取れないが、あまり気を遣わなくても良くなってきている。

 トナーを使う関係で、やはりレーザーの場合はトナー絡みのトラブルが多発する。
 値段が高いため、再生トナーを利用される方も結構いらっしゃるかと思うが、品質に問題のあるものが結構あるようなので注意すること。

 一定間隔で黒い点が表示される時は、ドラムに傷が入っている証拠。
 まぁ、少々なら安物買いの報いと思って我慢してもいいと思うが、一直線に汚れが付くようになると重傷だ。
 トナーが湿気で固まってしまっているのか、あるいは完全にカートリッジが逝っているのかの見極めは重要かも。

 大抵はカートリッジを丸ごと交換すれば解決すると思うが……。

 なお、トナーの粉末は非常に細かいので、下手に掃除機で吸わないこと。吸うと排気口から噴きだす事もある。
 もしカートリッジの不良でトナーをばらまいたりした場合は、ガムテープで押さえるなどして量を減らしてから吸う事が肝要である。
 また、掃除機の排気口にティッシュペーパーを何枚か重ねておく事。

 なお、レーザーはその高速性を買われてオフィスで酷使されるケースが多々あると思われる。
 少々高くても、エンジンの丈夫な高級機を選んで欲しい。
 また、トナーカートリッジを10回も交換する頃には機械部分が相当くたびれてくると思われるため、カートリッジを交換しても異音が収まらないようならさっさと次を探した方がいいと思う。

ドットインパクト

 一昔前のオフィスの定番。
 筆者の会社では未だオフコンが大活躍しているため、当然ながら現役。
 音が凄まじく、当然ながらヘッド周りの負荷は相当のものである。

 寿命は、印刷枚数何枚程度ってのが各メーカーによってあると思われる。
 ヘッドの摩耗もしくはピン折れが結構痛いと思うが、壊れるのはこの辺だけという話も……。

 最近は何処の会社も騒音を煙たがってインパクトプリンタを処分し始めている。
 自信のある人はジャンクを買ってきてヘッドを交換すれば治りそうだが……。

 ただし、ドットインパクトもやはり値段と強度は比例する。
 10万円以下の安価なプリンタは企業のヘビーな要求に耐えられるような設計になっていない。
 複写能力ギリギリで使っていると、当然早く壊れるので注意すること。
 また、ピンの細い48ピンよりは24ピンの方が強いのは言うまでもない。

熱転写

 意外にしぶといが、会社で使用している文豪ミニ7RX(NECのワープロ専用機)のプリンタヘッドは良く壊れる。
(まだ使ってるのかというツッコミが来そうだが……)
 これは設計強度を超えた使い方をしてるからだと思うが、まぁ安物は安物といったところか

 さて、今時熱転写というと、アルプスのマイクロドライぐらいだろうか。
 あんまり見かけなくなった。
 画質向上させるのが難しいとか、印刷速度を上げられないだとか、インクのランニングコストが凄いとか、色々理由はあるが、不人気なのである。
 考えてみたら、熱転写プリンタを寿命一杯まで使うことって少ないのではないだろうか。
 やはり熱転写は個人が使うもので、
 以前は安価なカラー印刷となると熱転写以外無かったように思うが……やはりインクジェットの天下である。
 マイクロドライ等の特殊なものを除けば、存在自体が寿命を迎えているのではないか。

 まぁ、他の形式同様壊れることは壊れるが、動く部分が紙送りとヘッド送りぐらいで、ヘッド自体は電気的な負荷しか掛かっていないため、そんなに壊れる物ではない。ヘッドが壊れたと言っても、ヘッドのヒーター部が死ぬ事は滅多になく、大抵はヘッド送りのモーターやベルトが死んだりするパターンである。

 そして、壊れても直してもらえないよと……。


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なし

作成日:
最終更新日:2008/10/16

故障事例からパソコンと周辺機器の寿命を探る

 

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