会社で買ってしまったへっぽこ98

筆者が以前所属していた会社では、情報システムの責任者がNEC好きというだけの理由で随分怪しげなPC98シリーズを買っている。
そのラインナップを知人の靖間氏に話すと、「よくもまぁ」と感心されたので、ここに紹介する。


PC-9821V12

 いきなりバリュースターである。
 普通、法人でバリュースターは選ばないものだが、魔が差してしまった。
 当時ですら、既に常識であったセカンドキャッシュが省かれており、Pentium120MHzというスペックの割に遅かった。

 また、850MBという当時としてはそれなりの容量のディスクはコナー製の3600rpm物で、Cバス接続されたIDE性能と相まって、やはり他社製品に比べると遥かに見劣りするものだった。
 ランダムアクセス、シーケンシャルアクセス共に遅いという仕様ではどうしようもないではないか。(苦笑)
 さらに不幸な事は、拡張性がちっとも無い事である。
 PCI1本、Cバス2本で何をしろと言うのか。SCSIとLANをCバスで入れて、グラフィックアクセラレータをPCIで入れればいい?
 最近はCバス機器も減っており、どうしていいか分からない筆者である。(98対応PCI製品も減ってるけどさ……)

 恨みごとついでに言うと、ビデオ性能はCirrusの5430のおかげで低次元。さらに付属のディスプレイは白色が必ず青色に染まるという安物である。
(今は煙草のヤニで黄色く染まっている)

 とりあえず、メモリを32MB増設し、セカンドキャッシュを256KB増設した。
 どちらも体感できるほど高速化し、満足を得られるものであったが、それだけではやはり寂しいのである。

PC-9821Xv13/R16

 タワー型にした事で、拡張性が高くなった98……かと思ったら、5インチベイが増えたぐらいで実質メリット殆ど無し。(涙)
 マザーボードはXa7/9/10以来の物で、大したスペックではない。
 ちなみにこいつのマザーボードはWildCatという珍しいチップセットを採用しており、当時としては高い性能を持っていたようだが、やはり寄る年波には勝てないということか、既に戦力外通告を与える時期かもしれない。

 ちなみに筆者は今だにこのマシンに32MB増設しただけの状態で開発機として使用させられており、一応Pentium-200を買ってもらったりもしたが、あらゆる面で性能不足を露呈している。
 特にIDE性能の低さは涙が出そうである。
 もう少し待ってW系列が出てから買えば良かったのか?

 現在Winchip2-240とメモリ96MBが搭載されている状態だが、やはりHDDを何とかせねばパワー不足は否めない。(HDDを何とかしてもやっぱり遅かった)

PC-9821Xc13

 魔が差しまくっている。どうも当時は少しでも安い機種……が社内の選定基準だったらしく、素直にXaを買えばいいのに何を思ったかXcを買ってしまったのである。
 あまり使ったことがないので細かいインプレは省くが、Xa系列には含めたくないどーしようもない機種には違いない。
 ビデオがCirrusLogicの安物になるなど、内部パーツはどちらかというとValueStarに近いのではないかと思われる。

 これも荒く扱われており、壁に押しつけられた拍子にディスプレイケーブルが断線していたり(辛うじて接触不良で収まっているが)、CD-ROMドライブは開閉すらままならないなど、運用上の問題によってさらに程度が悪化している。

PC-9821RaII23

 気が狂って3台も購入してしまったが、うち2台は起動中にハングするという病気持ち。
 上司がNECに因縁を付けてマザーボード交換させたが、1台は直らなかった。
 拡張性において、2.8Vの初期Pentium2(倉益)しか搭載できないのが致命的。
 また、この頃のPentium2はホントの初期物であり、歩留まりも悪く、233MHz版はあまり品質もよろしくなかったとの事。
 クロックアップ耐性も当然ながらあまり無い。(しないけど)
 コレで性能が抜群なら文句も少ないが、Pentium2ながらチップセットが440FXのため、ECC EDO SIMM仕様。高いだけで現在では入手が困難なメモリを用いる事を強いられる。
 ついでに言うと、Celeronを使ってるSlot1用アクセラレータも使えなかったりする。
 また、グラフィックとIDEについては手をつけられておらず、ベンチマークテストを行っても遅いまま。
 どういう事かと首をかしげてしまう。

 なお、現在も細々と98は生きているが、マザーボードはこいつの物が小変更されているだけである……。

PC-98NX VS26D

 またも失敗作?
 最初の電源投入時のセットアップで保護例外エラーを出して停止した事から、その時点で信頼が失墜した。付属ソフトが非常に多く、そのくせにメインメモリを32MBしか装備していなかったため、とても使える状態ではなかった。
 また、実際に使い始めてもトラブル続発。
 純正LANカードを説明書通り装着すると動かんし……。
 こんなに酷いとは思わんかった。

 さらに現在は使っている者のスキルにも難があり(中途半端に知っていて経絡秘孔を突きまくってくれる)、不具合の発生頻度が上がっている。
 一般の感覚で言うと「要再セットアップ」であるが、こうなった原因が本体のせいか人間のせいかは今ひとつ絞り切れていない。


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なし

作成日:
最終更新日:2006/10/21

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