Dynabook SS3480のジャンクを修理した

1年ぐらい使っていなかった、かつての愛機 SS 3480はすっかり痴呆老人になっていた……。

ジャンクDynabookを小手先の技で修理する参考にして下さい。


愛機Dynabook 3480がジャンクになった!

 使わなくなったのに、捨てられずに残してあるパソコンが無いだろうか。
 筆者には、ある。

 Dynabook SS 3480がそれだ。

 今回、久々に使ってみようとしたところ、全く使い物にならなくなって、ジャンク品としての処分すら考えたが、試行錯誤の末、復旧することが出来た。

 SS3400シリーズのジャンクを購入したときの参考になると思われるため、情報公開させて頂く。

 ただし、マネするのは自己責任で。

障害内容

【トラブル1】マトモに起動しない

 最初、電源すら入らないように見えた。レジュームしてないのにレジュームエラーが出たりする。

 BIOSも起動しない。起動しても操作できない。保存してるのにちゃんと記憶してない。

 何か、動きがデタラメだ。

 思わず「ジャンク品」として売りたい衝動に駆られたが、ここで売ったら他のヤツを儲けさせてしまうと思い直し、トラブルシューティングを試みる事にした。

【トラブル2】Windowsが起動途中でブルースクリーンになる

 トラブル1のさなかでも、何故かWindowsは起動し始めていた。

 だが、Windowsを起動していますまでは表示されるが、その直後にブルースクリーン(青地に白の目に優しく心に厳しい画面)が表示される。

 ゴチャゴチャ書いているが、管理者様は自分なので、自分の胸に手を当てて考えなきゃいけない。コリャ大変だネ!

【トラブル3】キーボードが効かない

 BIOSがたまに起動出来ても、今度はメニューの中でカーソルが思うように動いていかない。

 トラブル1・2が解決した後も、最後までこのトラブルは残った。

復旧・修理手順

1.BIOSリセット

 BIOSを初期化するためにはBIOSメニューを表示させないといけない。

 ESCキーを押しながら電源を入れると良い。F1キーを押してくださいと英語で表示されたように記憶している。

 ここでもう一つの異変が。何か効くキーと効かないキーがある。たとえばページを切り替えるためのPageUp/PageDownが効かないとか、カーソル移動が出来たり出来なかったりとか。

 とりあえず、Endは効くようなので、適当に時間だけ直して保存した。

 何度も、同じ事をした。BIOSのバッテリーバックアップが死んでしまうと、ROMに焼き込まれたデフォルト値で立ち上がってくるようになる。

 SS3480に搭載されている東芝オリジナルBIOSは設定項目が少ない。時刻と起動順序ぐらいしか触る必要が無いので、毎回その辺を直しておけばOK。

2.充電作戦

 Dynabook SS 3400シリーズは、ニッケル水素電池でBIOSをバックアップしている。

 デスクトップ機は比較的容易に交換出来るので、メンテナンスを前提に大きなボタン型リチウム電池を使っている事が多いが、ノート型は分解が大変なので、充電出来る2次電池を使っている事が多い。

 当然寿命はあるが、商品寿命が尽きる頃まで持ちこたえていれば良いという考え方で、5〜6年ぐらいは何事もなく使えるようになっていると思われる。
 ただし、時々パソコンを電源につないで、補充電されることが前提だ。

 ちなみに、仮にバッテリーが切れても、ACアダプターがつながっていれば、記憶が消えずに保持されることが多い。

 また、通常はBIOSの設定値がバックアップされなくても工場出荷時設定に戻されたり、毎回時計が2000年に戻るぐらいなのだが、一部メーカーのパソコンでは完全に機能を停止してしまうということなので、注意が必要。

 さて、とりあえず3日ぐらい充電してみたが、相変わらずレジュームエラーが表示されたり、ACアダプタに接続しているのに時計の再設定が必要になるなど、筆者のDynabook SS 3480はなかなかおかしな状態になっていた。

3.CDリカバリー

 とりあえずWindowsが起動しないので、付属のリカバリーCDからWindows 2000を再セットアップすることにした。

■データバックアップ

 リカバリーをするにも、既存データが気になるので、一応バックアップを取ることにした。
 2.5インチHDDをUSBに変換するアダプターを使って、内蔵の9.5mm厚30GB HDDをバックアップ。(元々東芝20GBだったが、IBMの30GBに交換していた)

 こういうとき、母艦PCのHDDに全部コピーしちゃうのが手っ取り早い。別にアプリが全部起動しなくても良いし、インストール媒体は全部手元にあるか、ネット上のフリーソフト・ドライバの類だけのはずなので、システムフォルダ等はあまり気にしない。

 なんか10年物のデータ等も発掘されて、真面目にバックアップを取っておいて良かったと思ったひとときでした。

■リカバリCD使用上の注意

 リカバリCDがあればすぐに復旧出来ると思ったアナタ、甘いです。

 SS3400シリーズまでは、USBからの起動に対応していないため、純正のPCカード接続型CD-ROMドライブが必須なのです。コレを忘れると、いつまでもリカバリメニューにたどり着きません。

 そして、リカバリCDはWindows98レベルのDOS上でNorton Ghostが動作するので、HDDがNTFSフォーマットされていると正常に認識してくれません

 必ず他のPCに接続する等して、先にパーティションを消去する(おすすめ)か、Windows98で扱えるFAT32等でフォーマットしておく必要があります。

 結構、リカバリCDがNTFSを扱えない事を見落としがちです。注意しましょう。

 もし、リカバリCDで起動してもハードディスクを認識しないというようなことがあれば、リカバリCDがNTFSに対応しているかどうか、チェックしましょう。

 かなり重要です。

4.電源リセット

 ノートPCが起動しないといった異常動作したときに、一応おまじないとして行う事がある。

 ACアダプタとバッテリーの両方を外すというものだ。電源供給を止めて一旦マザーボードを完全に止めてから、再度始動することで、完全なリセットを試みる。

 特に電源を入れて、電源ランプは点灯するのに画面が表示されず、キーの反応もない(Caps lockでLEDが変わらない)といった時に有効だ。

 先日Portege R100が固まったときは、コレに加えてESCキーを押しながら起動もやってみて復旧した。

 が、SS3480はコレでもなお復旧しなかった。相変わらず時間を忘れてアホになるぐらいであった。

5.筐体分解整備

 通常のアプローチで通用しない場合は、やはり開腹手術するしかないのである。

■電池交換

 前述の通り、3日ぐらいACアダプタをつなぎっぱなしにしておいたが、一向に充電されている気配が無いので、諦めた。バッテリー交換してみないと、先には進まないとの結論に達したので、思い切って小遣いをはたいて購入することにした。

 東芝ユーザーで、東京近郊に住んでいる人が補修部品を買いに向かう先といえば、ご存じチチブデンキである。(東芝PC工房は惜しいけど違う)

 店の奥、Librettoパーツの在庫が並んでいるところに、筆者をマチカネタンホイザとばかりに、過剰な在庫が確保されていた。たぶん、売り切れないのでご安心を。1050円だった。

 ボタン型電池を2個並べて緑色のパッケージでシュリンクしたやつだ。1.2V×2で、合計2.4Vのスゴいヤツ。(大げさ)

 実は、SS3400シリーズの電池はなかなか交換しづらい場所にある。
 難しくはないが、マザーボードを外せるところまで分解しないといけません。

 メーカー修理に出すと約13650円(東芝ノートパソコン修理 概算料金)、自分でやれば1050円。
 ただし、壊した時の損害はプライスレスなのでご用心。

■電池交換実践編(SS3480/SS3430分解のしかた)

(1)底面のネジを外す。USBコネクタのカバーを固定しているネジは外さなくてもOK

(2)パームレストを外す。そのとき、裏側のフラットケーブルをコネクタから外すこと。コネクタの爪をずらして持ち上げる。

(3)フラットケーブル2本を外して、キーボードを外す。コネクタの爪をずらす事。2本目を見落とさないことと、戻すときに意外と奥まで差しているので、どの辺りまで入っているか見ておくこと。

(4)ハードディスクに覆い被さっているフラットケーブル2本を外す。

(5)ハードディスクを外す。ネジは無いので、壊さない程度に持ち上げてコネクタから外す。

(6)液晶が後ろに倒れないように注意して、キーボード下から出てきたフレームを固定しているネジを外す。
  全部外す前に、右側の液晶コネクタを外しておく。

(7)上からマザーボードを固定しているネジを外す。CPUファンとかの余計な物は外さなくて宜しい。

(8)マザーボードを少し持ち上げて、マザーボード裏側から電池を引きずり出して、コネクタから外す。

 当然保証なんてのはしないので、自己責任でやっといて欲しい。

■マザーボード清掃

 開腹したところで発見したが、SS3480のマザーボード上にあるバックアップ電池のコネクタ付近に、腐食痕のような物が飛び散っているのが見えた。もしかしたらショートしているかもしれない……。

 電池を外すと、電池側のコネクタにも錆か緑青のような物が付いていた。多分、何か宜しくない事が発生したのである。

 とりあえず汚れを綿棒の先で軽くこすってみたところ、運良く汚れは簡単に落ち、基盤へのダメージはほとんど無いように見えた。腐食しているようだが、程度は軽かった。

 筆者はさすがに抵抗値を計って安否を確認するといった高等テクニックを持ち合わせていないので、見た目がキレイならOKとしている。

 そして、デッドストック状態の未使用電池に交換したところ、時間を忘れる事は無くなった。

6.メモリ脱着

 しかし、まだWindowsは起動しない。

 ブルースクリーンは致命的な障害の場合に出る。Windowsに変なソフトをインストールしたぐらいではなかなか発生しない。
 ハードディスクの破損でシステムファイルの欠損が生じたとか、メモリエラーの可能性が高い。最後に正常稼動した後は特にハードディスクをいじっていないので、メモリの可能性が高かろうと判断し、底面の蓋を外してPC100のMicroDIMMを取り出した。

 メモリ64MB状態で動かすと、遅いながらも動いたので、原因はメモリにあると推測できた。

 Panasonicのレッツノートで多用されるMicroDIMMだが、当時の技術では難しかったようで、結構不良に当たる可能性も高かったようである。ただ、4年ぐらいメインでフル活用したので、元々壊れてはいなかったはず。
 だが、経年劣化によるトラブルの可能性はある。

 抜いて、接点復活剤を塗って掃除し、再度差しなおしたところ、メモリ192MB状態でもきちんとWindowsを起動できるようになった。

■キーボード清掃

 何故か効かないキーがあったり、しつこく押せば時々反応するキー、複数の文字が1ストロークで入力出来るキーなど、非常に珍奇な状態になっていた。キーボードの取り付けケーブルがずれているのではないかと思って入れ直すが一向に解決しない。

 やむなくキーボード清掃に挑戦することにした。

 普通、キーボードを清掃する場合は表面をぞうきんで拭くか、隙間に挟まったゴミを裏返して叩いたり、細い棒ですくい取るぐらいしか対処は出来ないが、そんなレベルでは解決が難しいと判断した。

 特にノートPCのパンタグラフ式キーボードは迂闊にキートップを外すと、土台を壊して元に戻らなくなる可能性があり、お勧めできない。

 筆者はもうキーボードが壊れても良いという覚悟の上、キーボードを取り外し、洗面所に溜めた水の中につっこんで、激しくシェイクした。
 みるみるうちに水は埃とゴミだらけに……。

 これだけ汚れてると、接触不良も出るよね。

 思い切って水洗いする方法は案外お勧めである。ただし、濡れた状態で絶対に通電させないこと。
 湿った状態で通電するとあっという間に基盤が腐食し、二度と起動しない状態になってしまうからである。

 逆に、じゃぶじゃぶ水で洗っても、乾燥さえきちんとしておけば、復旧出来るのも事実である。

 そして、3日間の乾燥の後、再度組み上げられた筆者のSS3480は完全復活を遂げたのであった……と思ったら、治ってなかった

 修理はまだまだ続く。

 マザーボードを再点検して、ジャンクキーボードに交換してみるかな。

7.放置プレイ

 10月に修理を試みて失敗して、その後4ヶ月間、筆者のSS3480放置プレイ状態にあった。

 いよいよ潮時か……と、ふと思い立って電源を入れると、普通にWindowsが起動。そして、キーも問題なく入力が行えるようになっていた。

 原因は皆目見当が付かないが、どうやら治ったらしい。放置プレイが良かったのか?


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作成日:2008/10/5
最終更新日:2009/1/30

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