【2008年の流行はUMPC・ネットブック】UMPC(Ultra-Mobile PC)は、元々7インチ以下の小型液晶にタッチパネルを付けた、携帯型タブレットPCの基準としてマイクロソフト・インテルによって提唱された。 ただ、実際の商品は性能が低いことや、小さすぎて使い勝手が悪いこと、その割に値段が高いというような理由で、あまり注目される事は無かったように思う。 そんな中、2008年に登場したASUSTEKのEeePCは、タッチパネルが付いていなかったり、HDDレスで4GBのSSDのみ搭載、7.2インチの低解像度液晶、Celeronをクロックダウンして利用など、UMPCよりもさらに退化(苦笑)していたものの、価格がOS付きで6万円を切ることなどから注目を浴びた。 元々モバイルPCは薄型設計やマグネシウム筐体で金がかかるので、値段が普通のノートPCより高いのが当たり前だった。値段高いと持ち歩きが不安になるという、需要と供給のねじれがあったことは容易に想像できる。 そこにAsusが持ち込んだEeePCは正反対のアプローチだった。SSDこそぎょっとしたが、後はむやみに先端技術を投入せず、海外ではOSをLinuxにしてまで価格を下げた。 安くて、持ち運べて、Web閲覧ぐらいならそこそこ使えるEeePCはホビー用にたちまち大人気。類似コンセプトのフォロワーが数ヶ月遅れで次々と商品化された。 そして、「コレってUMPC」じゃないよね、と気づいたインテルが、この流行物に「ネットブック」という名前を付けたというのは、半分筆者の作り話だがあながち間違っていないと思う。 さて、UMPCやネットブックにはスピードより省電力ということで、組込機器用のインテルA110シリーズや、AMDのC7シリーズがCPUとして使われてきたが、インテルはすかさずこの分野にATOMという新省電力CPUをリリースした。 専用CPUがリリースされ、環境が整ってきたことから、本格的にPDAとモバイルPCの間を埋める新カテゴリが普及する可能性が出てきたと言っても過言ではない。 【ネットブックの弱点】値段がとても安いが、性能は若干物足りない。動画処理やオフィスソフト等をメインに考えるなら、普通のノートパソコンの方が良いと思う。 また、液晶が若干小さく、見づらい傾向にあるように思う。キーボードが微妙に小さく打ちづらいといった、日常の使い勝手に問題がある機種が多いように見受けられる。 性能等はそのうち解決しそうな気もするが、実は一番大きな懸念点は一流ブランドの商品がほとんど出回っていないことだったりする。 ヒューレットパッカード以外、低価格競争に参戦しているメーカーは無い。どことは言わないが、商品企画に無理があったり、品質面で若干の疑問を感じる商品が少なくない。 【Atom付きネットブックよりPentiumM付きサブノート】ようやく筆者の主張したい事にたどり着いたが、つまりは出始めの中途半端な「ネットブック」より、中古でも安心感のある一流メーカーのモバイルPCを買った方がいいのではないかということ。 Atom Nシリーズの初期型とPentium Mでは、Pentium Mの方が遙かに高速だと言われている。AtomはこれからのCPUで改善が進む上、既にDual Core対応のAtom Zシリーズもあるので、いずれ逆転すると思うが、シングルコアCPUである「Atom N270(1.6GHz)」との比較であれば、現在リリースされているネットブックよりも、中古のサブノートの方が高スペックな事も多い。 そして、中古のサブノートは、Pentium Mリリースから4年を経過し、だんだん市中に出回るようになってきた。 たとえばdynabook SS1600シリーズやLet'sNOTE Tシリーズ、ThinkPad X31といった辺りは法人がリースで使っていたケースが比較的多いこともあり、リース上がりの商品が期待できる。 個人的にはSS1600シリーズが値頃感や軽さ具合でネットブック対抗としては良いと思う。メモリだって1280MBに増設可能だ。これが、子供のお年玉ぐらいで買えてしまうのだから良い時代だ。 あえて新品のネットブックを購入せず、中古パソコンを購入するのも良いかもしれない。 ただ、バッテリーは老朽化している事が多いので、もし持ち歩きを考えるなら、バッテリーの調達は必須になるだろう。これもサードパーティー製の廉価なバッテリーが手に入る。 また、液晶のバックライトも、使い込まれていると当然劣化してくる。試しに通電して、白が白く見えない液晶は避けた方が良いと思うが。 あまりこだわったり、後から修理すると、ネットブックを新品で購入するのとトータルでの出費はあまり変わらなくなることもあるので注意! そのくらい、ネットブックのコストパフォーマンスが高いという事かもしれないけれど。 |
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作成日:2008/9/12 最終更新日:2008/10/20 |